マーク・ロスコ その3
今となってはロスコのトレードマークとなっている、単純な色と矩形で構成された「マルチフォーム」と呼ばれたスタイルの絵画が発表されたのは1946年のことです。 それまでは彼は肖像画や街の風景、神話から題材を取った絵を描いていました。 シュールレアリスムの影響を受けたその絵は評価され、バーネットニューマンなどの絵画仲間も居ましたが、今ほどの名声を得ていたわけではありませんでした。 それがあのスタイルの絵画になった理由ははっきりとわかりませんが、同時代にクリフォードスティルが同じような大きなキャンバスに平面的に色を塗るというスタイルの絵画を描いていて、それにロスコは感銘を受けていたといわれていますから、そうしたものの影響があったと思われます。 ともあれ複数の色や形によって構成されたロスコの一連の絵画が発表されると、同時代の画家や評論家達は衝撃を受けたようです。 彼の展覧会はヨーロッパや日本など各地で行われ、世界中の人がロスコの名前を知る事になります。 ロスコの作品を人々は賞賛し、彼を「有望な一人の画家」から「スター画家」へと押し上げたのでした。 しかし名声が高まるにつれ、彼の内面には少しづつ、隙間が広がっていく事になるのです。
